赤く染まる命
痛みが全身を挟む 食い込む
痛みが全身を駆け巡る 蝕む
彼は痛みの原因を執拗に叩きつける
私の心にそれが突き刺さる
ああ、私は描く
痛みが 私を描かせる
創造のエネルギーまたは原点を
彼が鞭打ち もたらす
痛みがあればこそ
障害があればこそ生まれる意欲
描く意欲=生きる意欲
描く=生きる=描く=生きる
生きることは忘れること
描くことで忘れる
痛みが駆け巡る全身が
生命力を奮い立たせる
絶対的な自信には
見守る彼の愛がある
見て、皆よ
この絵こそが全て
この最高傑作を
信じている、私は
この力を 愛を
赤く飛び散る花びら
ドレスは赤く染まっていく
おお、フリーダ!
とうとう痛みに崩れ落ち
自信も崩れ落ちるのか…
ああ
彼に身体を受け止められた
時すでに遅し
高慢ちきもプレッシャーも痛みも落ちた
全てから解放された
新しい国で
新しい世界で
私と彼は踊る 踊り続ける
それは夢の中かもしれない
永遠の夢かもしれない
もう何も縛るものはなく
心も身体も解放された
彼は全てを許し受け入れた
ああ、全てが無くなって
また新たな絵は産まれるだろう
それは軽やかな
観る者の肩の力を抜くような…
きっと背中には羽が生えている
この世では出会えない お前の未来の絵