”時間を早く捕まえて!
早く早く!!
早くしないと逃げちゃうよ!”
まるで一匹の蝶を追うように
網を持って走っていく
蝶を捕まえたい一心で
捕まえようとすると
余計に遠くへ行っちゃう
見えるけれど、手が届かない
やっと追いついて
網にいったん入っても
網目を擦り抜けていく
”時間を追うのは
なんて苦しい”
息切れする、わたし
と、知らないうちに
蝶に乗って飛んでいた
風が心地よい。体も楽ちん
”もしかしたら
時間を捕まえられた!?”
思うも束の間、
さらに大きな網が
わたしたちを襲う
忘れていた時間が
戻ってくる
『婦人公論』8/25号
選外佳作